2021年10月27日水曜日

Haluya Yoshida exhibition 展覧会のお知らせです。@ 二子玉川蔦屋家電 2021, 10/29(fri)-11/14(sun)10:00-20:00. 2F share lounge.

作品制作をシリアスに続けていると、ふと全然違う雰囲気のモノを傍で作っている時がある。

真剣な制作モードではなく休憩モードでもなく、制作の合間の息抜きに何故かまた制作しているような、、、。
そういう時の「副産物」って発想はほんと無責任だしモチーフ選びも不真面目なんですが、制作自体は本気モードで進んでいるので技術や仕上げは妙にキッチリしている。

毎年発表している銀座の画廊で搬入の時、毎回そんなふざけた小さな副産物を笑って紹介していたら妙に気に入っていただき、今回はGallerie Cheneさんの企画で二子玉の蔦屋家電で発表する流れに繋がりました。

- 日常にアートを届けたい -
という素敵なタイトルまでつけて頂きましたが、僕としても「日常」と「アート」が別世界として分かつことなく、普通の暮らしと渾然一体となった、「アートな日常」を皆が普通に楽しむことをライフテーマとしています。

皆んなが互いに表現したり、鑑賞したり。

絵でも歌でも、料理も家具も、本でも踊りでも服飾も建築も、人事でも経理でも医療でも介護でも販売でも、どんな仕事も全ては「組み合わせと扱い」のコンポジション。

「日常というアート」を現実に織り成す糸は、「遊び心」です。

BOOK&CAFEの、とても素敵な空間ですので秋のお散歩がてら是非ぜひ遊びに来てくださいね!

僕も週末や祝日には会場におります。

皆様よろしくお願いいたします。





















2021年4月24日土曜日

「釉薬の映像化による、陶表現の重力を離脱するこころみ。」

music composer JUTERUSさんとの実験的なArt Joint セッションの映像をYoutubeにアップしました。

https://www.youtube.com/watch?v=BI69NRqdYBo


僕は釉薬の描き出す変幻自在な色調に魅了されて陶の表現を続けています。その魅力とは熔融化による予測不可能で美しい発色や結晶化などの熱化学的プロセス。

映像化は釉薬の素材的「重さ」を解放し、そのエッセンスのみを抽出する試みです。

抽出された「元素の組み合わせと扱いの概念」は他の表現と、一体どのように親和するのか?とても興味を持って今回実験的に取り組みました。

JUTERUSさんの音源はVocalを主体としているため、無機質なceramic素材に「人間味」「情感」が複合的にプラスされ、さらなる創造空間にする手助けをして頂けました。心より感謝です。

音楽やファッション、舞踏や朗読、医療や福祉での色彩的治験など、様々な分野とのコラボレーション表現を目指して、これからもさらなる新しい釉薬映像を発表してゆこうと思います。





2021年3月9日火曜日

'Lips of Life'.

 「私たちのコミュニケーションに、唇の果たす役割は、美術的にとても大きい。」

- Lips are one of the best symbol of ' life communication '. -

唇は、ひとの花びらのようだと思う。

そして最近やけに唇を見る機会が減ってしまった。

飲み食べ、笑い、歌い、キスをし、言葉と共に愛情を伝え合う、花のように美しく敏感な器官。
瞳と同じく、人間のとても魅力的で重要な部位。

コロナとは関係なく、大して何も考えずに、作りたいから作っただけのシンプルな作品群なのですが、時代的にここまでマスク着用が当然の世の中になってくると逆に、妙に艶めかしく秘められた存在に思えるから不思議です。

早くまた賑やかに笑って咲き誇る日が戻って来ますように。




























2021年3月5日金曜日

'Reflection.'

「飛び越えてきた景色が、その羽に焼き付けられた。」


僕は元々、釉薬の色彩やテクスチャーに魅力を感じ、それをそのまま主題とするような陶板形状による作品を制作して参りました。

釉薬のリアリティー溢れる結晶構造や、それに伴う色彩の化学的変化は実に魅力的でその魅力を全面に表し続けた結果、自然に具体的な主題よりも抽象的な表現を多く制作して来たように思います。

しかし元来の適当な性格もあって、あまり線引きせずに自由に表現をしてきたのですが、釉薬が素材的に持つ「鑑賞者の内にあるイメージを喚起するような抽象的性質」は大切にしてきました。(抹茶の茶碗の「銘」はその「見立て」の産物です。)


釉薬が高温の窯の中で描き出す「景色」。それはある種、作為を超越した偶然とも言える結果です。しかし作り手は出発点として「想像」という地図を広げて制作の一歩を踏み出す訳で、結果が全くの偶然であるはずはありません。言わば作り手の「念写」とも言える行為です。

とはいえ、この世では「思い通りにいかない」という基本原則が常に働いているため、窯出しの日には心がズタズタに打ちのめされるような「予想外」の結果を前に翻弄されるのです。

「こんなはずじゃなかった、、」「なぜこんな結果に、、、」と毎度毎度苦しみ、奥歯を噛みしめるのですが、気づけばもう20年以上こんなことを続けているので客観的に理解できてきたこともあります。

それは、途中で「こんなはずじゃなかった、、」という焼成結果を踏まえた作品の方が最終的には、「予想の範疇に収まってスムーズに焼きあがった作品」よりも不可思議で複雑な釉調を備えた深みのある作品として完成することが多い、ということです。

宇宙はカオシックでフラクタルな性質を持っていますから、これも万物と呼応する一つの「普通の法則」なのかもしれません。

「思い」がリフレクトして反対の結果となり、だからこそ初めて成就するような不思議な感覚。

そして「いよいよ成就した!」と思うような自信作も「自分が創る」場から「他者へ伝える」場へとステージが変わり、「展覧会」となると何気なく出品した、「思い入れが軽いもの」の方が人気が高かったり、思いの反転の連続がまた延々と普通に続きます、、、。

もはや、

成功も失敗もないのです。

具象も抽象もありません。

具象は抽象のリフレクトであり、抽象は具象のリフレクションです。

事象すなわち心象です。

釉薬の抽象的な自然現象を、最大限具象的に模刻した羽に'Reflect'させました。

羽に映っているのは、飛び越えてきた景色です。

「反転」して見える一つの連続的な事象風景です。

’Reflection'

鑑賞者それぞれの心象風景が、より美しくリフレクトできるように、

これからも磨いて磨いて「反射精度」を高めていきたいと思います。

HALUYA 2021 








景色をReflectさせた具象的な羽作品群。


Reflectさせる前の抽象的な「釉景色」








 

2021年3月2日火曜日

'Flower of the Mission'.「 宇宙に咲く、人間の『使命』という花々。」


- 自分の命の使い道は、自分で決める。-

当たり前なような、そうでもないような。

この「命」を、どう「使」 うのか?、、、です。


10年前の東日本大震災、あの早春の大地の巨大な揺さぶりによって多くの「種」が一斉に芽吹き、急速にたくましく育ち、日本中に夥しい「花」を咲かせたのを、僕は見ました。


瓦礫をかけ分けた交差点の真ん中で、停電した信号機の下、汗まみれ埃まみれになって一日中交通整理をしているお巡りさんの頼もしい輝き。

避難所で切迫した被災者の方々に、ひたすら安心してもらおうと手を尽くしている様々な支援者の心温かで優しげな立姿。

全国より届けられる救援物資を仕分けし、延々と段ボールを運び続けている逞しい筋肉や息遣い。

、、、その花々はあまりに多すぎて、到底書ききれるものではありません。


僕は、出会ったそんな一人一人の瞳の中に共通して宿る「光」を見ました。それは真摯で誠実な衝動からのみ溢れ出す、人間の「使命」の輝きなのだと思います。

そしてそれは、ただただ美しかったのです。

自分の特技や特性を、いかにして他者の幸せに活かすことができるか。

それを実践している人は本当に美しいです。


今回の新型コロナ禍で多く頑張っているお医者さんや看護師さん、医療や支援に関わる大勢の方々、その人たちの中にも多く咲き、観る者の心を激しく揺さぶる「花」「花」「花」、、、。


「宇宙に咲く、人間の『使命』という花々。」


そんな花々への尊敬の気持ちを素直に表現したいと思い、制作しました。





「宇宙に咲く、人間の『使命』という花々。」

'Flowers of the Mission.'  

2021

 HALUYA.













2021年3月1日月曜日

2021 HALUYA ceramic ART online Exhibition Open!!

完全なOnlineの展覧会は初めてのこころみです。
(Virtualな展示ですが、リアルな現実ハガキを主体として告知をしています。)

 

 本当は2月の初旬に通常通りの個展を計画していたのですが、新型コロナ禍による二度目の緊急事態宣言の発令や、他の様々な要因に後押しされる様に「完全オンライン」での個展開催と決断いたしました。


本来の「展覧会」とは、やはり作品実物の量感や質感、肌触りや香りなどの「体感」「実感」が主体のものであり、オンラインによる完全Virtualな空間表現で、どこまで作品現物に迫れるのかは全くの未知数です。(そしてそれは実際、遠く及ばないでしょう。)

しかし2020-2021にかけて人類が直面しているこの状況で、人と人の交流が著しく制限される「緊急事態宣言」の中、半年以上準備して創り上げた「渾身の展覧会」を開催しながらも、堂々と人を呼ぶことの出来ない矛盾的状況を迎えることは表現者にとって、とてもとても辛いことです。

表現者に限らず、我々人間には「創造力」が備わっています。この世界的に困難な状況を乗り越えて進む「鍵」となる力だと思います。そして想い描いた新たな進路を具体的に実現する「行動力」の試される時です。

やってみなければわかりませんが、やってみればきっと何かが見えるはず!と、ひたすらがむしゃらに実現までの複雑で細かなピースを組み上げて、本日ようやく開催までこぎつけました。

メインギャラリーのyoutubeでは展示空間での身体感覚や没入感覚を大切に動画制作いたしました。
サブギャラリーのstoresでは1点ずつニュートラルな視点で作品を手に取るようなイメージで様々な角度からなるべく具体的に撮影してあります。

とは言え、現実と比べたら色々と至らないことばかりで見づらい点も多々あるかとは思いますが、ご高覧いただけましたら幸いです。

難点の多々ある今回の拙い展示ですが、オンラインならではの「時空を超える」展示が実現できたことは大きな自信につながりました。地球のあちこちから、いつでもどこでも気軽に作品を見てもらえる新しいスタイルの展覧会が開催出来たことを本当に幸せに思います。

末筆になりましたが、一人では到底こなすことの出来なかった今回の膨大な準備内容を快く手伝ってくれた映像作家のKUMAちゃん、写真家でありHP制作者のCHIBAさん、動画に最高の音楽をつけてくれた音楽制作のJUTERUSさんには感謝の気持ちでいっぱいです。人情溢れる暖かなサポートを本当にありがとうございました!

皆様、どうぞじっくりゆっくり観ていってください。

ps,各作品についてのStatement(作家による解説文)は期間中に少しずつUPしていく予定です。

よろしくお願いします。

HALUYA2021