2021年4月24日土曜日

「釉薬の映像化による、陶表現の重力を離脱するこころみ。」

music composer JUTERUSさんとの実験的なArt Joint セッションの映像をYoutubeにアップしました。

https://www.youtube.com/watch?v=BI69NRqdYBo


僕は釉薬の描き出す変幻自在な色調に魅了されて陶の表現を続けています。その魅力とは熔融化による予測不可能で美しい発色や結晶化などの熱化学的プロセス。

映像化は釉薬の素材的「重さ」を解放し、そのエッセンスのみを抽出する試みです。

抽出された「元素の組み合わせと扱いの概念」は他の表現と、一体どのように親和するのか?とても興味を持って今回実験的に取り組みました。

JUTERUSさんの音源はVocalを主体としているため、無機質なceramic素材に「人間味」「情感」が複合的にプラスされ、さらなる創造空間にする手助けをして頂けました。心より感謝です。

音楽やファッション、舞踏や朗読、医療や福祉での色彩的治験など、様々な分野とのコラボレーション表現を目指して、これからもさらなる新しい釉薬映像を発表してゆこうと思います。





2021年3月9日火曜日

'Lips of Life'.

 「私たちのコミュニケーションに、唇の果たす役割は、美術的にとても大きい。」

- Lips are one of the best symbol of ' life communication '. -

唇は、ひとの花びらのようだと思う。

そして最近やけに唇を見る機会が減ってしまった。

飲み食べ、笑い、歌い、キスをし、言葉と共に愛情を伝え合う、花のように美しく敏感な器官。
瞳と同じく、人間のとても魅力的で重要な部位。

コロナとは関係なく、大して何も考えずに、作りたいから作っただけのシンプルな作品群なのですが、時代的にここまでマスク着用が当然の世の中になってくると逆に、妙に艶めかしく秘められた存在に思えるから不思議です。

早くまた賑やかに笑って咲き誇る日が戻って来ますように。




























2021年3月5日金曜日

'Reflection.'

「飛び越えてきた景色が、その羽に焼き付けられた。」


僕は元々、釉薬の色彩やテクスチャーに魅力を感じ、それをそのまま主題とするような陶板形状による作品を制作して参りました。

釉薬のリアリティー溢れる結晶構造や、それに伴う色彩の化学的変化は実に魅力的でその魅力を全面に表し続けた結果、自然に具体的な主題よりも抽象的な表現を多く制作して来たように思います。

しかし元来の適当な性格もあって、あまり線引きせずに自由に表現をしてきたのですが、釉薬が素材的に持つ「鑑賞者の内にあるイメージを喚起するような抽象的性質」は大切にしてきました。(抹茶の茶碗の「銘」はその「見立て」の産物です。)


釉薬が高温の窯の中で描き出す「景色」。それはある種、作為を超越した偶然とも言える結果です。しかし作り手は出発点として「想像」という地図を広げて制作の一歩を踏み出す訳で、結果が全くの偶然であるはずはありません。言わば作り手の「念写」とも言える行為です。

とはいえ、この世では「思い通りにいかない」という基本原則が常に働いているため、窯出しの日には心がズタズタに打ちのめされるような「予想外」の結果を前に翻弄されるのです。

「こんなはずじゃなかった、、」「なぜこんな結果に、、、」と毎度毎度苦しみ、奥歯を噛みしめるのですが、気づけばもう20年以上こんなことを続けているので客観的に理解できてきたこともあります。

それは、途中で「こんなはずじゃなかった、、」という焼成結果を踏まえた作品の方が最終的には、「予想の範疇に収まってスムーズに焼きあがった作品」よりも不可思議で複雑な釉調を備えた深みのある作品として完成することが多い、ということです。

宇宙はカオシックでフラクタルな性質を持っていますから、これも万物と呼応する一つの「普通の法則」なのかもしれません。

「思い」がリフレクトして反対の結果となり、だからこそ初めて成就するような不思議な感覚。

そして「いよいよ成就した!」と思うような自信作も「自分が創る」場から「他者へ伝える」場へとステージが変わり、「展覧会」となると何気なく出品した、「思い入れが軽いもの」の方が人気が高かったり、思いの反転の連続がまた延々と普通に続きます、、、。

もはや、

成功も失敗もないのです。

具象も抽象もありません。

具象は抽象のリフレクトであり、抽象は具象のリフレクションです。

事象すなわち心象です。

釉薬の抽象的な自然現象を、最大限具象的に模刻した羽に'Reflect'させました。

羽に映っているのは、飛び越えてきた景色です。

「反転」して見える一つの連続的な事象風景です。

’Reflection'

鑑賞者それぞれの心象風景が、より美しくリフレクトできるように、

これからも磨いて磨いて「反射精度」を高めていきたいと思います。

HALUYA 2021 








景色をReflectさせた具象的な羽作品群。


Reflectさせる前の抽象的な「釉景色」








 

2021年3月2日火曜日

'Flower of the Mission'.「 宇宙に咲く、人間の『使命』という花々。」


- 自分の命の使い道は、自分で決める。-

当たり前なような、そうでもないような。

この「命」を、どう「使」 うのか?、、、です。


10年前の東日本大震災、あの早春の大地の巨大な揺さぶりによって多くの「種」が一斉に芽吹き、急速にたくましく育ち、日本中に夥しい「花」を咲かせたのを、僕は見ました。


瓦礫をかけ分けた交差点の真ん中で、停電した信号機の下、汗まみれ埃まみれになって一日中交通整理をしているお巡りさんの頼もしい輝き。

避難所で切迫した被災者の方々に、ひたすら安心してもらおうと手を尽くしている様々な支援者の心温かで優しげな立姿。

全国より届けられる救援物資を仕分けし、延々と段ボールを運び続けている逞しい筋肉や息遣い。

、、、その花々はあまりに多すぎて、到底書ききれるものではありません。


僕は、出会ったそんな一人一人の瞳の中に共通して宿る「光」を見ました。それは真摯で誠実な衝動からのみ溢れ出す、人間の「使命」の輝きなのだと思います。

そしてそれは、ただただ美しかったのです。

自分の特技や特性を、いかにして他者の幸せに活かすことができるか。

それを実践している人は本当に美しいです。


今回の新型コロナ禍で多く頑張っているお医者さんや看護師さん、医療や支援に関わる大勢の方々、その人たちの中にも多く咲き、観る者の心を激しく揺さぶる「花」「花」「花」、、、。


「宇宙に咲く、人間の『使命』という花々。」


そんな花々への尊敬の気持ちを素直に表現したいと思い、制作しました。





「宇宙に咲く、人間の『使命』という花々。」

'Flowers of the Mission.'  

2021

 HALUYA.













2021年3月1日月曜日

2021 HALUYA ceramic ART online Exhibition Open!!

完全なOnlineの展覧会は初めてのこころみです。
(Virtualな展示ですが、リアルな現実ハガキを主体として告知をしています。)

 

 本当は2月の初旬に通常通りの個展を計画していたのですが、新型コロナ禍による二度目の緊急事態宣言の発令や、他の様々な要因に後押しされる様に「完全オンライン」での個展開催と決断いたしました。


本来の「展覧会」とは、やはり作品実物の量感や質感、肌触りや香りなどの「体感」「実感」が主体のものであり、オンラインによる完全Virtualな空間表現で、どこまで作品現物に迫れるのかは全くの未知数です。(そしてそれは実際、遠く及ばないでしょう。)

しかし2020-2021にかけて人類が直面しているこの状況で、人と人の交流が著しく制限される「緊急事態宣言」の中、半年以上準備して創り上げた「渾身の展覧会」を開催しながらも、堂々と人を呼ぶことの出来ない矛盾的状況を迎えることは表現者にとって、とてもとても辛いことです。

表現者に限らず、我々人間には「創造力」が備わっています。この世界的に困難な状況を乗り越えて進む「鍵」となる力だと思います。そして想い描いた新たな進路を具体的に実現する「行動力」の試される時です。

やってみなければわかりませんが、やってみればきっと何かが見えるはず!と、ひたすらがむしゃらに実現までの複雑で細かなピースを組み上げて、本日ようやく開催までこぎつけました。

メインギャラリーのyoutubeでは展示空間での身体感覚や没入感覚を大切に動画制作いたしました。
サブギャラリーのstoresでは1点ずつニュートラルな視点で作品を手に取るようなイメージで様々な角度からなるべく具体的に撮影してあります。

とは言え、現実と比べたら色々と至らないことばかりで見づらい点も多々あるかとは思いますが、ご高覧いただけましたら幸いです。

難点の多々ある今回の拙い展示ですが、オンラインならではの「時空を超える」展示が実現できたことは大きな自信につながりました。地球のあちこちから、いつでもどこでも気軽に作品を見てもらえる新しいスタイルの展覧会が開催出来たことを本当に幸せに思います。

末筆になりましたが、一人では到底こなすことの出来なかった今回の膨大な準備内容を快く手伝ってくれた映像作家のKUMAちゃん、写真家でありHP制作者のCHIBAさん、動画に最高の音楽をつけてくれた音楽制作のJUTERUSさんには感謝の気持ちでいっぱいです。人情溢れる暖かなサポートを本当にありがとうございました!

皆様、どうぞじっくりゆっくり観ていってください。

ps,各作品についてのStatement(作家による解説文)は期間中に少しずつUPしていく予定です。

よろしくお願いします。

HALUYA2021








2020年2月11日火曜日

2020吉田晴弥個展のお知らせ。

吉田晴弥2020Exhibition のお知らせです。
2/17mon - 2/22sat 11:00 - 19:00(最終日17:00迄)
銀座Galleria Grafica bis ガレリアグラフィカbis。
(中央区銀座6-13-4 G-sixの裏側辺り。) 僕は毎日在廊予定です。

COLORS - 地母神の歌 -
新しいものを創り出すのはたいへんだ。
できるならあんまり悩まないで今まで通りの作風で続けていられれば楽なんだけどなーと思ったりもします。
でももし人生が自分を磨くための修行だとしたら、やっぱり望んで未知の領域に舳先を向けるでしょうし、失うことの恐れとか先の見えない不安とか、たどり着いた休息の地の安堵感とか、道連れと分かち合う一杯の水とか、いっぱいの感情が様々な色調で色濃く記憶に焼き付けられて、それが心の求めた生きている実感になるのだと思うのです。

個々の違いはあれど、同じ命を分かち合う人間同士です。

その衝動をそのまま形にしたいと思いました。
情熱や冷静は、そのままの色で。
溢れる気持ちは溢れ出す色彩で。
豊かに。

僕の素材は土ですからそれは全て地母神の歌なのです。

http://www.galleriagrafica.com/jp/artists/yoshida.html



2019年5月12日日曜日

スターバックス表参道ヒルズ店のアートワークに陶の羽7点が設置されました。

表参道にオープンするスターバックス新店舗に羽作品を7点常設で壁面に設置して頂けました。とても嬉しいです!

店内には緑の植物が多く取り入れられていて、外の天候や光が感じられるように設計されており、とても心地よく過ごせるようにデザインされていて一眼でこの空間が好きになりました。
結婚した時に四月の早朝の明治神宮を訪れ、大らかに支え合う境内の夫婦楠の美しい立ち姿に一つの和合円満の理想像を感得した事があるだけに、この新店舗のデザインテーマが明治神宮の夫婦楠にあることを聞いた時、何か大きな流れの中にあるご縁にとても感動しました。

明治神宮の杜は人の手の入っていない自然林に見えますが、実際は約100年前に人の手によって植えられた人工林だという驚きから、自然の摂理に改めて学び、人の本来持っている創造力の豊かさを取り戻すために緑の植栽を空間に多く取り入れてリラックスしてもらう、というデザイナーさんのお話にも深く頷けました。

樹々の植生を広げるのは、まず雨や土、風や太陽、川の力。
そしてその種子を運んでくれる虫や動物たち、
中でも鳥は大空を渡り、さらに遠くへと種子を運ぶ樹々の大切なメッセンジャー。
鳥たちがとまる豊かに枝を広げた樹木はその一本ずつがすべて、実は地球という神社の自然な鳥居なのかも知れませんね。

現在賑やかに商業施設が立ち並ぶ表参道は、本来神宮への参拝の道であり、冬至の日の朝陽が登る東の方角からまっすぐに伸びる神聖な光の参道であるとのお話も設計部長から直々に教えていただき、とても興味深く自然や宇宙の摂理と繋がる人間の信仰を学びました。

表参道の風土や樹々や人間の文化と魅力を伝える、表参道のとても素敵なスターバックスです。散歩の際には是非立ち寄ってみてくださいね!

表参道HILLS西wing B1(建物の一番明治神宮寄りの位置にあります。)

入り口のサインボードは石灰岩を彫って落ち着いたグレーの色彩で作られており、starbucks を象徴するグリーンカラーは、植え込まれた植栽の緑がその役割を代わりに担っていて、参道にあって過度に目立たず最高に素敵なデザインになっています。

とにかく嬉しいです!!!

石灰岩を手で彫って作られた一点ものの看板。カンバンの範疇を超えた存在感で、トーンは控えめながらその上質さが逆に人眼を引きつけています。水盤から流れる水を受け止める玉石は濡れるとしっとりとグリーンに輝くというこだわりにびっくり、、、。
向こう側の扉は店舗オープンの際は隣のテナントとつながるようです。人が行き来するwalk galleryみたいになりそうで嬉しいなあ。

白い壁、たまに黒い壁のギャラリーはあっても、こういうシックなグレーの壁ってあまり無いのでとても新鮮で落ち着いた展示になりました。宇宙から地球を俯瞰するというテーマに陶芸作品の羽が即しているようです。


世界一美しいと言われるグァテマラに生息する幻の鳥ケツァール。明治神宮の杜に生息する都会の奇跡オオタカ。その二羽が手描きされ壁面の大空を舞っている。ケツァールの雄の尾羽は1メートルにも達し、世界で一番美しいとも言われる。ケツァールとはアステカの主要言語ナワトル語で「大きく輝いた尾羽」「美しい雨覆い羽」という意味。(!!)
語根のquetz は「立つ」と言う意味で、羽を立てた状態を意味する(!!)ですって。調べながらこれを書いていて、なんか鳥肌が立ってきた、、、←あ、また鳥だ、、、(!!)
お声がけくださった店舗開発部の高島部長とも記念撮影をさせて頂きました。スターバックス独自の、風土に根ざし地域文化を大切に考える素晴らしい店舗設計を日本各地で長年続けてこられたスターバックスジャパンの宝石のような存在です。高島部長の関わったプロジェクトはどの案件もしなやかで鋭い感受性があふれています。「商業の為の建築空間、サインシステム部門」でスターバックスジャパンにGood Design award 2018 受賞をもたらされており、店舗開発の思想に「Thinkglobal,Act local.」を強く感じます。各地に点在するリージョナルデザイン店舗を知るほどに大ファンになってしまいました。とても尊敬しております。