2017 吉田晴弥展 -晴のうつわ- のお知らせです。
1月24日(火)〜1月29日(日)10:00 - 19:00 (最終日は17:00迄)
桃林堂 青山店 港区北青山3-6-12 表参道駅B4出口
土を足で練る冷たく柔らかな感触が全身の細胞を心地よく刺激する。
うつわの造形は、なるべく手数を少なくしてふんわりと放っておく。
釉薬の調合テストはいつも手間がかかって厄介だが、結果を見ると新しい希望の光が宿っている。小さな光に集中して無言で釉掛けする。冬の冷たい釉薬の感触が背筋を伸ばす。
最近は窯を焚く回数が増えて、無駄な力が抜けた様に思う。あまり悩まずにスッキリと1300℃付近まで温度を上げて練らし、結晶を促した後、すとんと終える。
一連の作業が最近実にここちよい。
窯出しのワクワク感が戻って来た。ダメならまたやればいいだけだ。
自分が良いと感じたものは朝の太陽の光を当てて、まじまじと眺める。
別の話。
過去の失敗作を家人が掘り返してきて丁寧に水で洗い、無邪気に盛り付けを楽しんだりしている。最初は「まいったなあ〜」などと思っていたが、不意に今迄全く気がつかなかった豊かな表情をその器が見せる事がある。盲点だった。最近は釉薬そのものの美しさに惹かれるあまり、使う事を忘れていたが、陶芸の魅力は使えることだ。そして実際のところ使うには適度なスキがあった方が使い易いという。眺める事を前提とした他を受け容れない、完璧を目指すものづくりとは考え方の根底から異なっているが、どちらも同じく「美」に通じている。
ここで一度原点に還ろうと思う。
うつわは、うけいれるもの。
いきることがたのしくなるような、おおらかなうつわをつくりたい。
最近は絵を描きたい一心で制作してきたので、器の約束事に添わない、描き散らしたスケッチブックの様なまとまりのない展覧会になりそうですが、ご笑覧いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。