2009年に築窯してから7年が経過し、本焼150回以上、素焼きや金彩焼き付けも加えると500回近い繰り返しの燃焼で制作を共にしている灯油窯も外観の痛みが目立つようになってきた。
特に1300℃近い温度帯で引っ張ったりもするので表面の鉄板に伝わる熱変化も大きいことが予想され、分厚い鉄板でも放置しておくと穴があいてしまう怖れもある。
扉も煙道まわりも大分錆びている、、、。
窯焚きする時は一日に何度も窯の前に行き、燃焼ピーク時には窯をじっと見つめて中の様子をイメージする時間がある。
そんな大事な時間に錆が気になって「あ〜修理しなきゃなあ〜、、、」等と考えてしまうのはなんとももったいない。
ということで、制作に没入する前の今、塗り替えをすることにした。
塗り替えの要はなんといっても丁寧に下地をつくること。
そしてこの作業が一番大変、、、。
まずはスクレーパーで浮いた古い塗装を剥がし、あとはワイヤーブラシでとにかく錆をこすり落とす。グラインダーは必須。マスクとゴーグル、丈夫な手袋も必須装備です。
錆を落とし切ったら良くホコリを払って、全体を灯油で綺麗に拭き上げます。
ここまでやればひとまず疲れ切ってヘトヘトです。
塗装前には表面に残っている灯油もしっかりと拭いて、まずは下地塗料(#903 グレー)を塗ります。
仕上げ塗りの耐熱塗料(okitsumo #15 シルバー、〜300℃)との密着効果アップを狙います。
(塗料の余り具合から見るとこのサイズの窯では0、8リットル缶で充分なようです。)
グレーの下地を塗ったところ。薄塗りの方が塗装膜がよく硬化し剥がれにくくなるとのこと。
上塗りもなるべく均一に薄く塗ってリフレッシュ!
ついでに柱や燃料タンクも塗装して綺麗になったので、見ていてすがすがしく気持ちがよいです。
次の素焼きまで時間もあるのでじっくりと塗膜を硬化させます。
実際の作品制作と別作業ではあるのですが、どうもこのあたりは作品の焼き上がりに影響してくる様な、やはり関係ない様な、なんだか不思議な感覚です。
しかし制作環境を綺麗に保ちたいのは僕の性分でもあるので、窯の前で過ごす時に少しでも気楽でいられる事はやはり制作環境として、とても良い事なのでしょう。